今回は、スマートフォンで確定申告する方法についてご紹介させて頂きます。
令和3年分から新しく導入された申告方法ですが、マイナンバーカードがお手元にあれば、誰でも簡単に申告することが出来ます。
なお、利用するようには事前に以下の準備を済ませておいてください。
- スマートフォン(マイナポータルアプリに対応したもの)
- マイナンバーカード
- マイナポータルアプリのインストール
- 源泉徴収票など、その他確定申告に必要な書類
事前準備が完了していない方は、以下の記事を参考に準備を完了させてからご利用ください。
パソコンでe-Taxを行う場合は以下の記事をご参照ください。
ここでは「マイナポータル」と「e-Tax」が連携していることが前提でご説明をさせて頂いておりますが、連携していなくてもQRコードを使って確定申告することが出来ます。
連携をご希望でない方は、最初の操作が少し違いますが、「国税庁のサイトへアクセス」の項目から操作を進めてください。
ただし、「マイナポータルアプリ」は必須になりますので事前にインストールしておいてください。
マイナンバーカードをお持ちでない方でも、スマートフォンを使用して確定申告書を作成することは可能です。
ただしe-Taxを行うことは出来ず、作成した申告書は印刷して、税務署に持参または郵送する必要があります。
マイナポータルにログイン
「マイナポータルアプリ」を起動します。
画面中央にある「登録・ログイン」をタップします。
暗証番号を入力して、マイナンバーカードを読み込んでください。
「マイナポータル」のトップページが表示されました。
画面を下にスクロールします。
「確定申告の事前準備」という場所をタップします。
「e-Taxで確定申告をはじめる」をタップします。
「医療費通知情報」は毎年2月9日以降に取得出来るようになります。
昨年度病院に行った回数が多い方や入院等をされた方は、この日以降に手続きをすることをお勧めします。
なお、医療費控除の対象は10万円以上になりますので、10万円を超えていなければ、2月9日まで待つ必要はありません。
医療費情報を取得する方法については、以下の記事をご参照ください。
まだ、「e-Tax」とつながっていない方は、以下の記事を参考に連携を済ませてから操作を行ってください。
国税庁のサイトへアクセス
「確定申告書等作成コーナー」が表示されますので、「作成開始」をタップします。
申告書作成のための6つのステップが記載されています。
- 申告準備
- 収入等入力
- 控除等入力
- その他入力
- 送信または印刷
- データ保存等
この順番で入力していきますので、必要な書類を手元に置いて作業を進めてください。
申告準備
作成する申告書等の選択
作成する申告書を選択します。
選択したら画面を下にスクロールします。
作成する年分を選択します。
ここでは「令和5年分」を選択します。
提出方法に関する問いが表示されますので、「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択します。
マイナポータルと連携するかどうか聞かれますので、ここでは「連携する」を選択します。
なお、連携しなくても申告書を作成することは可能です。
申告内容に関する質問
「申告内容に関する質問」に答えて行きます。
- お持ちの源泉徴収票は1枚のみですか。
複数の勤務先から源泉徴収票を受け取っている方は、「いいえ」を選択してください。 - 勤務先で年末調整が済んでいますか。
昨年度中に退職していない限りは、通常勤務先で年末調整をしているはずです。 - 以下のいずれかの控除を受けますか?
医療費控除・寄附金控除を受ける場合は「はい」を選択してください。 - 住宅に関する控除を受けますか。
昨年度住宅を購入・改築した方で、昨年度から住み始めている方は、住宅ローン控除等を受けられますので、「はい」をタップしてください。
「住宅ローン控除」を受ける予定の方へ
スマートフォンで住宅ローン控除に関連する入力画面は、パソコン版の画面が表示されます。
大変小さく見えにくいため、パソコンをお持ちであれば、パソコンからe-Taxすることをお勧めします。
入力の仕方については、以下をご参照ください。
すべての選択が完了したら、「次へ」をタップします。
利用規約の確認
マイナポータルアプリがインストールされているかの確認画面が表示されました。
すでにインストールされていますので、画面を下にスクロールします。
「利用規約の確認」画面が表示されますので、「同意して次へ」をタップします。
マイナンバーカードの認証
「マイナポータル連携」画面が表示されます。
マイナポータルに移動しますので、「次へ」をタップします。
認証方法の選択画面が表示されますので、「マイナンバーカードでログイン」をタップします。
「利用者証明用電子証明書」のパスワードを入力します。
「読み取り開始」ボタンをタップして、マイナンバーカードを読み込みます。
「認証完了」画面が表示されたら、「次へ」をタップします。
e-Taxの登録状況の確認
e-Taxの登録状況の確認画面が表示されますので、「次へ」をタップします。
登録情報の確認画面が表示されますので、内容を確認します。
画面を下にスクロールします。
内容に間違いや変更が必要な場所があれば、「訂正」をタップして内容を変更してください。
問題がなければ、「次へ」をタップします。
マイナポータル連携
「マイナポータル連携」画面が表示されます。
「申告する本人の情報を取得しますか。」と聞かれますので、「取得する」をタップして「次へ」をタップします。
「マイナポータル」と連携するための同意事項の確認になります。
画面を下にスクロールします。
「上記に同意する」にチェックを入れて、「次へ」をタップします。
「控除証明書等の取得」画面が表示されます。
ここでは、「マイナポータルから取得可能な控除証明書等がありませんでした」と表示されています。
これは確定申告をする時に必要な情報が何もなかったことになります。
「医療費情報は2月9日以降取得可能です。」と記載されていますので、医療費控除のある方は2月9日以降に作成した方が良いでしょう。
医療費情報を取得する方法については、以下の記事をご参照ください。
内容を確認したら、「次へ」をタップします。
再度、「取得情報の選択」画面が表示されます。
家族分の情報と、本人の情報を取得するかどうか聞かれますので、状況に合わせて選択してください。
なお、先程の取得画面でご自身の情報が、何も取得するものがなかった場合は、ここで再度「取得する」を選択しても結果は同じですので、「取得しない」を選択してください。
「次へ」をタップします。
「マイナポータルと連携ぜずに、申告書等を作成します。よろしいですか?」と聞かれた場合は、「はい」をタップします。
医療費通知や寄付金控除などで申告に関するxmlデータをお持ちの方はファイルを読み込ませてください。
お持ちでない方は、「次へ」をタップします。
収入等入力
「収入・所得金額の入力」画面が表示されます。
ご自身に当てはまる収入を入力していきます。
給与所得
多くの方が当てはまる、「給与所得」を入力していきます。
「源泉徴収票」の入力画面が表示されました。
年末調整が済んでいる方は上の「+」ボタンを、年末調整が済んでいない方は下の「+」ボタンをタップしてください。
ここでは年末調整が済んでいる場合の下の「+」ボタンをタップしてみます。
カメラで読み取り
「カメラで読み取り」と「直接入力」の2つの方法がありますので、都合の良い方法を選択してください。
まずは、「カメラで読み取り」の場合を見ていきましょう。
「カメラで源泉徴収票を読み取る」をタップします。
カメラへのアクセスを許可します。
撮影例を参考に、源泉徴収票全体がカメラに入るように撮影してください。
撮影が完了したら、読み込みのプロセスが開始されます。
アクセスする曜日や時間帯によっては読み込みに時間がかかる場合があります。
「読み取りが完了しました。」と表示されたら「次へ」をタップします。
「読み取り結果・補正」画面が表示されますので、読み込まれた金額を確認してください。
読み間違いがある場合は、直接金額を訂正してください。
金額に問題がなければ、「補正完了」をタップします。
「自動反映完了」画面が表示されたら、「閉じる」をタップします。
「源泉徴収票の入力」画面に戻ると、読み取った内容が表示されています。
画面下にある「次へ」をタップします。
「収入等入力」画面にも収入金額が表示されていますので、ご確認ください。
直接入力
直接入力する場合は、源泉徴収票を良く見て入力してください。
入力が完了したら、「入力内容の確認」をタップします。
公的年金
「公的年金」を受給している方の入力方法になります。
「公的年金」をタップします。
「公的年金等の入力」画面が表示されますので、「+」のボタンをタップします。
支払者が厚生労働省であれば「はい」をタップしてください。
支払金額の記載がある「区分」を選択してその他の事項を入力してください。
すべての入力が完了したら、「入力内容の確認」をタップして、もとのページに戻ります。
詳細は「源泉徴収票」の見本を参考に対応する入力項目を埋めてください。
支払い金額の記載のある「区分」はこちらで確認することが出来ます。
雑所得
「雑所得」がある方は、矢印の先をタップします。
「雑(業務)所得」とは、原稿料、アフィリエイト、物品の販売、食料品の配達などの副収入による所得のことになります。
「雑(その他)所得」とは、個人年金保険、互助年金、暗号資産取引などが該当します。
入力画面が表示されますので、「+」をタップします。
「雑所得」の入力画面が表示されますので、収入金額や必要経費等を入力して、最後に「入力内容の確認」をタップします。
「種目」はプルダウンメニューから最も近いものを選択してください。
一時所得
「一時所得」のある方は、赤い枠線の中をタップしてください。
「一時所得の入力」画面が表示されますので、「+」のボタンをタップします。
プルダウンメニューから「種目」を選択します。
空欄を埋めて、「入力内容の確認」ボタンをタップしてください。
株式売却損益・配当金等
「株式売却損益・配当金・繰越損失」の入力がある方は、赤い枠線の中をタップしてください。
該当する取引を選択して、必要事項を入力してください。
すべての所得の入力が完了したら、「次へ」をタップします。
控除等入力
支出に関する控除
雑損控除・災害免除額
災害や盗難等により住宅や家財などに損害を受けた方は、「雑損控除・災害免除額」をタップして入力してください。
医療費控除
「医療費控除」は申告をされる方も多いと思います。
該当される方は、「医療費控除」をタップしてください。
適用する医療費控除を選択して「次へ」をタップします。
どちらを選択した方が有利になるか分からない場合は、「控除額を試算する」をタップして計算してみてください。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は、同時に適用させることは出来ません。
どちらか一方のみ選択することが出来ます。
両者の違いが分からない場合は、「それぞれの制度の違いについて」をタップして詳細を確認してください。
とても簡単に言うと、「医療費控除」は実際の治療費が含まれるものであり年間の支出がある程度高額になる場合に選択し、「セルフメディケーション税制」の場合は、主に医薬品等の購入費が多い場合に選択するものになります。
なお、「セルフメディケーション税制」の適用を受けるには幾つかの要件がありますので、事前にご確認ください。
ここでは「医療費控除」を選択した場合を見てみましょう。
「医療費通知や領収書から入力する」か「医療費の合計を入力する」かを選択してください。
「医療通知や領収書」の場合は、「+」ボタンをタップして金額を入力していきます。
「合計額」から入力する場合は、支払った金額と保険会社から補填される金額を入力します。
なお、明細書が必要になりますので、「明細書のダウンロードはこちら」をタップして必ず作成しておいてください。
入力が完了すると「確認」画面が表示されます。
「医療費控除」について詳しく書くとかなりのボリュームになってしまいますので、詳細は割愛させて頂いております。
不明な点は各ページにある解説をよくお読みください。
社会保険料控除
源泉徴収票に記載のない国民健康保険や国民年金の支払いがあった方は、「社会保険料控除」をタップしてください。
「社会保険料の種類」を選択して、支払保険料を入力します。
追加で入力する場合は、「もう1件入力する」ボタンをタップします。
「社会保険料の種類」はプルダウンメニューになっていますので、該当するものを選択してください。
生命保険料控除
「生命保険料控除」をタップします。
まずは「適用制度の選択」をタップして、「新制度」か「旧制度」かを選んでください。
どちらを選択するか分からない方は、お手持ちの保険会社から送られてきている控除証明書にてご確認ください。
一般的な保健であれば、入力する項目は、「一般生命保険料」と「介護医療保険料」の2つになるかと思われます。
「保険会社の名称」も忘れずに記入してください。
複数の保険会社との契約がある場合は、「もう1件入力する」をタップして入力してください。
「生命保険料控除証明書」の見本はこのようなイメージになります。
その他の控除
「小規模企業共済等掛け金控除」・「地震保険料控除」・「寄付金控除」に該当される方は、それぞれタップして入力を完了させてください。
本人・親族に関する控除
「控除の入力」画面が表示されます。
「本人に関する控除」がある方は、該当するものをタップして入力してください。
配偶者特別控除の入力
「親族に関する控除」がある方は、多くの方が該当されると思いますが、「配偶者(特別)控除」、「扶養控除」それぞれ選択して入力してください。
配偶者控除では、配偶者の給与を入力します。
給与の入力が完了したら、「次へ」をタップします。
「配偶者の年収」が150万円以下であれば、「38万円」の控除が表示されるはずです。
その他控除に該当する項目がある方は、それぞれ入力してください。
入力が完了したら「次へ」をタップします。
その他入力
住民税等に関する事項の入力
「住民税等に関する事項の入力」画面が表示されますので、該当される方は各項目を「はい」、「いいえ」を選択して入力を完了させてください。
計算結果の確認
画面一番上に、「還付される金額」が表示されますので、金額を確認してください。
続いて「還付金の受取方法」を選択します。
受取方法は以下の4つから選択してください。
- ゆうちょ銀行以外の銀行等への振り込み
- ゆうちょ銀行への振り込み
- ゆうちょ銀行の各店舗又は郵便局窓口での受取り
- 公金受取口座への振込み
ここでは「公金受取口座への振込み」を選択します。
公金口座を登録していない方は、「マイナポータル」から登録することが可能です。
「公的給付支給等講座の登録」とはご自身の預貯金口座を国に(デジタル庁)に登録する制度になります。
口座を登録することにより、緊急時の給付金、年金、児童手当、所得税の還付金等の支給に際し利用されることになります。
迅速な給付を希望される方は登録しておくことをお勧めしますが、個人情報等の観点から気にされる方は登録しなくても特に問題はないと思います。
通知方法を選択します。
e-Taxでの受け取りを希望する場合は「はい」をタップしてください。
本人情報の入力
「本人情報」を入力していきます。
まずは「氏名」、「生年月日」を入力します。
続いて、「住所」、「提出先税務署」、「提出年月日」を漏れなく入力してください。
「提出年月日」は自動で入力されると思いますので、変更したい方はこの画面で変更してください。
令和6年1月1日の住所が記入した場所と違う場合は、チェックを外して、お住いの住所を入力してください。
入力が完了したら、「次へ」をタップします。
マイナンバーの入力
「マイナンバーの入力」画面が表示されます。
ご自身のマイナンバーはもちろん、配偶者や扶養家族のマイナンバーも忘れずに入力してください。
特記事項や税理士に依頼している場合は、その旨記載します。
入力が完了したら「次へ」をタップします。
送信
送信前の申告内容確認
「送信前の申告内容確認」画面が表示されました。
ここまで記入した内容に間違いがないか確認しますので、「帳票表示・印刷」をタップしてください。
送信前の確認用としてPDFファイルで申告書が表示されますので、内容を確認してください。
確認が出来たら、「次へ」をタップします。
申告に際して「特記事項」がある方は、空欄に200文字以内で記入してください。
税理士等に依頼している場合は、税理士等に関して入力してください。
入力が完了したら「次へ」をタップします。
入力の状況により、「カードの読み取りへ」と表示される場合があります。
その際は、マイナンバーカードを読み込ませてください。
データの送信
「データの送信」画面が表示されますので、「送信する」をタップします。
送信の確認画面が表示されますので、「送信を実行する」をタップします。
通信状況やご利用時間によっては時間がかかる場合がありますが、「送信完了」画面が表示されるまでしばらく待っていてください。
「送信完了」が表示されたら「閉じる」をタップします。
データの送信結果の確認
送信結果が表示されますので、内容を確認して「次へ」をタップしてください。
データ保存等
帳票の保存・印刷
「送信票兼送付書等印刷」画面が表示されますので、「帳票表示・印刷」をタップします。
表示された「帳票」を確認の上、ダウンロードして保存します。
iPhoneとAndroidでは若干、操作が違いますが、iPhoneでは画面下にある「共有」ボタンをタップします。
赤い枠線の中に、「別途提出」と書かれた部分に「○」が付いている書類は提出する必要がありますので、忘れずに提出してください。
お好きな場所を選択して「帳票」をダウンロードしておいてください。
ダウンロードが終わったら「次へ」をタップします。
入力データの保存
「入力データの保存」画面が表示されますので、「入力データをダウンロードする」をタップします。
「“r3syotoku_smart.data”をダウンロードしますか?」と表示されますので、「ダウンロード」をタップしてください。
アドレスバーに「青い下向きの矢印」が表示されますので、そこをタップしてください。
画像のようにメニューが表示されますので、「ダウンロード」をタップします。
「r3syotoku_smart」と表示されていたらダウンロードは完了です。 (最後の6という数字は人によって違うと思いますので気にしないでください。)
iPhoneであればダウンロードしたファイルは、ダウンロードフォルダに収納されています。
再び「申告書を送信した後の作業について」画面に戻ったら、「終了」ボタンをタップしてください。
以上で、e-Taxによる電子申告は完了です。
お疲れさまでした。
還付金の処理状況の確認方法
還付金がある方は、e-Taxを利用して申告された場合は以下の方法で支払い予定日等を確認することが出来ます。
ご参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか。
長い記事になってしまいましたが、実際に操作するとそこまで長くは感じないと思います。
短い時間で間違いなく手続を完了させるコツは、必要な書類を事前にきちんと用意しておくことだと思います。
以下の記事や確定申告のカテゴリに、申告の際に役立つ情報が記載されていますので、ぜひ不明な点がありましたら確認してみてください。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
今回の記事が確定申告の際に少しでもお役に立つことが出来れば幸いです。
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