今回は、確定申告書等作成コーナーの使い方について詳しくご紹介させて頂きます。
必要な書類さえ準備出来ていれば、誰でも簡単に利用出来ますので、ぜひ今回の記事をご参考にして頂いて、作成から提出までご自身で行ってみてください。
2024年(令和5年分)の申告方法は、「マイナンバーカードを利用したe-Tax」と「ID・パスワードを利用したe-tax」と、「印刷」して提出する従来の方法から選択出来るようになりました。
ここでは「印刷」して提出する方法を中心にご紹介させて頂いております。
基本的な入力の手順はどの方法を選択していただいても同じになりますので、他の記事で不明な点がありましたら当記事をご参照ください。
なおここでご紹介させて頂いている手順は、「給与所得者の還付申告」の手順を中心にご紹介させて頂いております。
また「所得控除」に関しては、「医療費控除」を中心にご紹介させて頂いております。
「住宅ローン控除」については別記事にて詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってください。
それでは早速ご紹介させて頂きます。
必要書類の準備
本人確認書類
- マイナンバーカード(e-Taxを希望される方は必須です)
- マイナンバーが記載された通知カード、または住民票(番号確認書類)
申告する内容によって必要な書類は変わりますが、すべての方に必要なものがマイナンバーの分かる書類です。
マイナンバーカードをお持ちでない方は確定申告を機会に作成しておくことをお勧めします。
(受取まで申請から1~2ヶ月ほどかかると思いますので、ご注意ください。)
所得証明書
- 源泉徴収票
- その他所得がある方は収入の分かるもの(株式等投資収入・不動産収入・副業等)
控除を受けるのに主な必要書類
以下申請する内容によって必要な書類が違いますのでご確認ください。
下記以外の控除を予定されている方は、必要に応じて書類をご用意ください。
事業所で年末調整を行った方は、控除予定の書類のみご用意ください。
雑損控除:災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた方
損害年月日、損害金額、保険金などで補填される金額及び災害関連支出の領収書などその金額が分かるもの
医療費控除:医療費や医薬品購入費の支払いがあった方
医療費の領収書、医療費通知書等、支払った金額のわかるもの
社会保険料控除
国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料等の支払った金額のわかるもの
生命保険料控除
支払額の分かるもの(通常は生命保険会社より書類が送られてきます。)
寄附金控除:ふるさと納税等
寄付金受領証明書等
住宅ローン控除等
住宅ローン控除については以下をご覧ください。
確定申告書等作成コーナー
まずは上記のリンク先より、確定申告書等作成コーナーへアクセスします。
初めて作成される場合は、赤い矢印の先にある「作成開始」をクリックします。
新しいウィンドウが開きます。
提出方法の選択
最初に提出方法を選択します。
上段の3つは「e-Tax」で提出する方法です。
その内、左側の2つは「マイナンバーカード」を利用して申告する方法、一番右側は、「ID・パスワード」を利用して申告する方法です。
従来どおりの印刷、または郵送で提出される方は、「その他」にある「印刷して提出」を選択します。
マイナンバーカード方式(2次元バーコード)
2022年(令和3年分)より新しく導入された方法です。
「マイナンバーカード」と「スマートフォン」を利用して確定申告を行います。
とても簡単に利用できますので、最もお勧めの方法です。
パソコンで申告する場合は以下をご参照ください。
スマートフォンで申告する場合は以下をご参照ください。
マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)
マイナンバーカードとICカードリーダライタをお持ちの方はこちらから提出することが出来ます。
ご利用の際には、以下の番号が必要となります。
- 以前にe-Taxを利用されたことがある方は、利用者識別番号と暗証番号が必要になります。
- マイナンバーカードに登録した利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)と署名用電子証明書のパスワード(英数字6文字以上16文字以下)
e-Taxを利用される場合はウェブブラウザの事前設定が必要です。
設定方法については以下で詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧ください。
ID・パスワード方式
税務署で事前に登録する方法と自宅から登録する方法があります。
税務署:顔写真付きの身分証明書
自宅:マイナンバーカードとICカードリーダ
印刷して提出
ご利用のための事前確認
利用するための事前確認画面が表示されます。
ブラウザの確認や、利用規約への同意などが書かれています。
なお、ご自宅にプリンターがない方は、コンビニエンスストアで申告書をプリントすることが出来ます。
内容に問題がなければ、画面右下にある「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
「ID・パスワード方式」または「印刷して提出」を選択したかたのみ表示されます。
作成する申告書の選択
続いて作成する申告書の選択をします。
最初に「令和5年分の申告書等の作成」、または「過去の年分の申告書等の作成」のどちらかを選択します。
通常の申告であれば、「令和5年分」を選択します。
矢印の部分をクリックすると詳細が表示されます。
目的別に4つの項目が表示されます。
今回は、主に「給与所得者が控除を受ける場合」を想定していますので、一番左の「所得税」を選択します。
他の項目については、別記事でご紹介させて頂きます。
申告書の作成
申告書の作成画面が表示されますので、「次へ進む」をクリックします。
生年月日の入力・申告内容に関する質問
まずは生年月日を入力します。
次に給与所得以外で収入のなかった方は「いいえ」をクリックしてください。
収入のあった方は、赤い枠線の中の「はい」をクリックしてください。
給与所得のみであればこのような選択になると思います。
「源泉徴収票」が1枚、「年末調整済み」、「控除を受ける予定があるか」の部分が「はい」になります。
上から5番目の「確定申告で追加する控除や年末調整の内容に変更はありますか?」という部分は、年末調整後に変更があったり、修正したい項目がある場合は「はい」を選択してください。
選択項目に間違いがなければ「次へ進む」をクリックします。
給与所得以外に収入のあった方はこのような選択になると思います。
青色申告を受けている事業者の方は、2番目を「はい」に変更してください。
選択項目に間違いがなければ画面一番下にある、「次へ進む」をクリックします。
今回は給与所得のみの手続きをご紹介させて頂きます。
給与所得以外に収入があった場合は別記事にてご紹介させて頂きます。
給与所得の入力
「源泉徴収票」の入力画面になります。
お手持ちの「源泉徴収票」をご用意ください。
矢印の先にある「入力する」をクリックします。
今回は、以下の国税庁の源泉徴収票のサンプルを例にご紹介させて頂きます。
出典:国税庁ホームページより(金額は変更しています)
解説画面にも入力場所が指示してありますので、参照してください。
⑤住宅借入金等特別控除の額の記載と⑦所得金額調整控除額の記載の部分は記載のある方のみ「あり」を選択してください。
すべての入力が完了したら、「入力内容の確認」をクリックします。
赤い枠線内に入力内容が反映されていたら「次へ進む」をクリックします。
収入金額・所得金額の入力画面ですが、自動で入力されています。
問題がなければ、矢印の先にある「入力終了」をクリックします。
所得控除の入力
「所得控除の入力」画面が表示されます。
雑損控除・医療費控除・寄附金控除の3項目に入力することが可能です。
ここでは、「医療費控除」について入力してみます。
「入力する」をクリックします。
医療費控除の入力
医療費控除の選択
「医療費控除を適用する」か「セルフメディケーション税制を適用する」のどちらかを選択する画面が表示されますが、病院にて治療を受け、薬などを購入されている方は「医療費控除を適用する」を選択してください。
一般的にはこちらを選択することになると思います。
セルフメディケーションを選択する方は主に、病院等に行かずにドラッグストア等で薬を購入されたことが多かった方になると思います。
ご自身がどちらに該当するか分からない場合は下にある控除額を試算するで比較してみてください。
入力方法の選択
入力方法の選択画面になります。
- 「医療費通知(「医療費のお知らせ」など)」、「領収書」、「医療費集計フォーム」から入力する
- 領収書から入力する
- 医療費集計フォームを読み込む
- 医療費の合計額のみ入力する(別途作成した明細書を提出してください)
上記4つの方法の内、一つを選択して次へ進みます。
医療費の領収書からの入力が一般的ですが、件数が多い時は3番目の「医療費集計フォーム」を利用される方が便利だと思います。
「医療費集計フォーム」は別途作成する必要があります。
医療費集計フォームを読み込む
「医療費集計フォームを読み込む」にチェックを入れるとページの下部に「「医療費集計フォーム」のダウンロード及び詳細についてはこちら」という場所がありますので、こちらをクリックしてください。
新規ウィンドウで上記のページが表示されますので、「医療費集計フォームダウンロード」をクリックしてファイルをダウンロードしてください。
医療費の合計額のみ入力する
4番目の医療費の合計額のみ入力する場合は、別途「医療費控除の明細書」を作成する必要があります。
こちらからダウンロードすることが出来ます。
医療費控除の明細書ダウンロード(pdfファイルがダウンロードされます)
どの方法を選択して頂いても問題ありませんので、ご都合の良い方法を選択してください。
今回は、「医療費の領収書から入力して、明細書を作成する」を選択してみます。
医療費の入力
入力画面が表示されますので、「入力する」をクリックします。
- 氏名
- 病院・薬局などの支払先
- 医療費の区分
- 支払った医療費の額
- 補てんされる金額
の順に入力していきます。
他にも入力する内容がある場合は、「続けてもう1件入力」をクリックします。
すべての入力が完了したら「入力内容の確認」をクリックします。
内容に間違いがなければ、「次へ進む」をクリックします。
計算結果の確認
自動で控除額が計算されますので、控除額を確認して「次へ進む」をクリックします。
医療費控除の欄に「100.000円」が追加されました。
画面右下にある「入力終了(次へ)」をクリックします。
住宅ローン減税の入力(税額控除・その他の項目の入力)
続いて住宅ローン減税に関する入力画面が表示されます。
こちらについては以下で詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってみてください。
画面右下にある「入力終了(次へ)」をクリックします。
還付金額の決定(計算結果確認)
還付金額の決定画面が表示されます。
今回の還付金額は、「33,640円」になりました。
内訳の詳細内容はページに表示されていますので、ご確認ください。
記入間違いなどは画面下部より訂正することが出来ます。
画面一番下にある、「次へ」をクリックします。
住民税等入力
それぞれの選択項目をご自身の状況に当てはめて選択してください。
「入力終了」をクリックします。
還付金 受け取り方法の選択
還付金の受け取り方法を選択します。
受け取り方法は4種類あります。
- ゆうちょ銀行以外の銀行等への振込み
- ゆうちょ銀行への振込み
- ゆうちょ銀行の各店舗又は郵便局窓口での受取り
- 公金受取口座への振込み(公金受取口座を登録済みの方に限ります。)
都合の良い受け取り方法を選択してください。
住所・氏名の入力
ご自身の住所と提出予定の税務署を記載します。
税務署情報の中でご自身の整理番号が分かる方は入力してください。
分からない場合は、空欄のままにしておきます。
また提出日は、確実に持参する日(発送日)が分かっている場合のみ記載してください。
未定の場合は空欄にしておいて、持参する当日(発送する)に手書きで記入するようにしましょう。
氏名・電話番号を入力します。
世帯主の氏名も入力するようにしてください。
以上で入力は終了です。
画面一番下にある、「次へ進む」をクリックします。
今後の訂正等のことも考えて、忘れずにデータを保存しておいてください。
矢印の部分をクリックするとパソコン上にデータを保存することが出来ます。
マイナンバーの入力
マイナンバーを入力します。
マイナンバーカードや通知カードに記載されている12桁の番号を入力します。
分からない場合は空欄のままにしておきます。
「次へ進む」をクリックします。
マイナンバーを空欄のまま進めると、画面のようなメッセージが表示されます。
マイナンバーの記載は義務となっていますので、提出時には必ず入力するようにしてください。
提出時に手書きで入力しても大丈夫です。
今回は空欄のまま勧めますので、「いいえ」をクリックします。
申告書の印刷
今まで入力した内容をもとに、申告書を印刷します。
Adobe Acrobat Readerを使用して印刷しますので、パソコンにインストールされていない方はインストールをしてください。
またご自宅にプリンターがない場合は、コンビニエンスストアで印刷することが可能です。
詳しくは以下をご覧ください。
赤い枠線の中で印刷する「帳票」を選択します。
基本的には表示されているものすべてにチェックを入れておいたほうが良いと思います。
画面の一番下に、「情報表示・印刷」というボタンがありますので、こちらをクリックします。
パソコンのダウンロードフォルダに申告書のファイルがダウンロードされますので、ダブルクリックしてファイルを開いてください。
申告書が表示されますので、右上の矢印にある印刷ボタンをクリックして印刷してください。
印刷が無事出来れば確定申告書の作成は完了です。
お疲れさまでした。
確定申告書の提出
提出に必要な書類
印刷した書類と一緒に添付する書類を用意します。
必要に応じて一緒に提出してください。
なお、源泉徴収票と医療費や医薬品購入費の領収書の添付が不要になりました。
但し申告後5年間は自宅に保管しておくようにしてください。
提出方法
提出場所:住所地を管轄する税務署
提出期限:令和6年2月16日(金)から 令和6年3月15日(金)(還付申告は1月1日から12月31日まで可能)
提出方法:持参または郵送
控え用の申告書に税務署の捺印が必要な場合は、持参する時に一緒に提出してください。
郵送の場合は、返信用の切手を貼った封筒を同封しておくと返信してもらえます。
郵送方法は信書扱いになりますので、配送法を間違わないようにしましょう。
詳しい郵送方法については以下をご参照ください。
その他確定申告について詳しくはこちらでご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってください。
確定申告書の修正方法
令和5年分の提出した確定申告書に誤りがあった場合は、再度確定申告書を作成・提出してください。
また令和4年分以前の確定申告書を修正する場合は、以下のサイトの画面の下にある、「提出した申告書に誤りがあった場合」から申告書を作成してください。
まとめ
いかがでしたか。
医療費控除を中心にご紹介させて頂きました、基本的な操作は他の控除でも同じような操作になります。
申告される方によって、いろんな条件があると思いますので、ご不明な点、至らない部分もあったかと思いますが、何卒ご容赦頂けますようよろしくお願いいたします。
今回の記事が確定申告書の作成の際、少しでもお役に立つことが出来れば幸いです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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