今回ご紹介させて頂くのは、公共職業訓練です。
前回は、求職者支援訓練についてご説明させて頂きました。
それぞれ同じような内容の訓練を行っていますが、受講できる方や、訓練期間に大きな違いがあります。
公共職業訓練とはどんな内容か。
早速見て行きましょう。
公共職業訓練とは
公共職業訓練とは主に失業給付を受けている方が対象となる訓練になります。
受講するための条件
- ハローワークでの求職者登録
- 雇用保険受給者
基本的には上記の条件を満たしていれば受講することが出来ます。
但し、労働の意思があることが必要になります。
現在就職中の方は、訓練開始までに離職している必要があります。
雇用保険被受給者でも受講出来るコースがある場合があります。
ハローワークで相談すると正しいアドバイスをしてくれます。
受講するための費用
無料
但し、テキスト代は必要。
コースによっては、別途費用が発生する場合あり。
(料理関係や作業関連など、受講するにあたり必要不可欠な身の回り品の用意等)
在職者など特定の要件に該当される方は有料になります。
コース受講資格
様々な分野の職業訓練コースが用意されていますが、どのコースを受講するにも、特別な資格や経験は必要としていません。
未経験の方が、コースを受講することによって就業出来るようにすることが、本来の目的であるので、全くの未経験の分野であっても就業に必要な基礎的な知識を学習出来るようになっています。
また、就職未経験の方であってもコースを受講することが出来ますので、初めての職場を探している方にも適した訓練となっています。
年齢制限も基本的にはありません。
(現実的には65歳位までか)
訓練期間中の生活費
求職者支援訓練については、一定の要件も満たせば、月10万円が支給される制度がありました。
しかし、公共職業訓練は、基本的に失業給付受給者が対象となっているために、別途支払われる給付金はありません。
但し、以下に該当する場合は給付金として支払われる場合があります。
通所手当
学校や施設に通うための通所手当てが支給されます。
(合理的な経路による運賃)
上限42.500円(地域や条件により違う場合があります)
公共職業訓練の申し込みの手順
申し込みの手順は、求職者支援訓練と同様に複雑です。
正しい手順で申し込みを行わないと、申し込み日に間に合わなかったり、受講したいコースを申し込めない場合などがありますので、一つ一つクリアして行きましょう。
また一つ一つの手続きに、驚くほど時間もかかります。
時間と心に余裕を持って取り組むことをお勧めします。
訓練受講までの大まかな流れは以下の通りです。
実際の受講までには、最大3か月ほどかかる場合がほとんどです。
- ハローワークに求職者登録 (0日目)
- 受講したいコースを調べる (0~7日目)
- ハローワークへ希望する受講コースの相談 (0~7日目)
- ハローワークで希望コースへの申し込み (0~7日目)
- 訓練施設へ書類の提出 (0~7日目)
- 入校試験 (21日目)
- 合格通知 (35日目)
- ハローワークへ合格の通達 (37日目~40日目)
- ハローワークで受講指示を受ける (37日目~40日目)
- 受講開始 (80日目)
受講コースを調べる・申し込む (1~5)
①番のハローワークで求職者登録は、失業給付を受けている方はすでにハローワークへの登録が済んでいますので、特にすることはありません。
これから給付を受ける予定の方は、同時に済ませてしまいましょう。
②の受講したいコースの検索は以下のサイトをご参照ください。
矢印の公共職業訓練にチェックを入れて、お住まいの県、または近隣の県にチェックを入れて検索します。
受講できるコースは、お住まいの都道府県だけでなく、近隣の都道府県にも通学することが可能です。
気になるコース、受講したいコースを選んでメモを取るなり、プリントするなりして、保存しておいてください。
③ハローワークへ希望する受講コースの相談は、興味を持ったコースの詳細について尋ねることが出来ます。
但し、実際の講義内容や専門的な情報を教えてくれる訳ではありません。
④ハローワークで希望コースへの申し込みは、相談を行った上で最終的な判断を行ってください。
⑤訓練施設へ書類の提出は、直接持参する方法と郵送する方法の2種類があります。
ハローワークで相談の上、都合の良い方を選んでください。
①~⑤まで理屈の上では1日で手続きを完了することが可能です。
但し、実際にはハローワークで相談したあとに受講を希望する学校等のオープンキャンパスや体験入学に参加する必要があると思います。
あくまでも任意のものですが、ハローワークには訓練参加の申し込み自体を拒否する権限があります。
手続きをスムーズに進めるためにも、必ず1度は学校等を訪問するようにしてください。
これらを踏まえると申し込みまでは1~2週間位かかると考えておいた方が良いと思います。
入校試験 (6~7)
⑥入校試験は所定の日に行われます。
学校にもよりますが、午前と午後の2回試験を行います。
時間は午前8:30~午前9:00頃から始まるのが一般的です。
⑦合格通知は試験のおよそ10日後位に発表されます。
郵送、または施設のホームページ上で行われます。
(各施設により、発表の方法は違う場合があります。)
合格通知書の中身は、受講するコースや地域によって若干の差異があるようです。
合格後の手続きは人それぞれ違う場合がありますので、必ず内容物を確認の上、指示に従ってください。
不明な点は必ずハローワークで確認するようにしてください。
ハローワークでの手続き (8~9)
合格時に郵送された書類を持ってハローワークを訪れます。
ここで受講指示手続きと呼ばれるものを行う必要があります。
必要なものはおおむね、以下の通りです。
- 合格証
- ハローワークカード
- 雇用保険受給資格証
- その他ハローワークの指示に従う
持参するものは受講するコースまたは地域によって差異がある場合がありますので、事前に確認をしておいてください。
受講するコースや地域によって、合格者説明会がある場合があります。
合格した際に送られてきた封筒の中身を確認してそれぞれ指示に従ってください。
誓約書・受講届・雇用保険受給資格者証(1面、4面のコピー)・通所届出等を受講する学校に返送する場合もあります。
または直接届ける場合もあると思います。
この辺りはすべて合格時に郵送された封筒の中に指示が書いてありますので、必ず確認するようにしてください。
受講開始
すべての手続きが終わったら、いよいよ受講開始となります。
ここまで来るのも大変だったと思いますが、本格的なスタートはここからになります。
受講されるコースや学校によって若干の違いはありますが、基本的には月1のペースでハローワークに通う必要があります。
日時は、事前に決められていますので、必ず訪れるようにしてください。
正当な理由なく欠席すると最悪の場合は、退校処分になる場合もあります。
お気を付けください。
受講に関する疑問点
雇用保険被受給者は受講出来ない?
雇用保険被受給者であっても、受講することは可能です。
但し、あくまでも受給者がメインとなるので、希望する学科が定員を超えている場合は、申込者の資質に関わらず、不合格となります。
(つまり受給者が優先されるということです)
被受給者で、受講を検討されている方は、ハローワークでなるべく空きがありそうなコースを相談するのが良いと思います。
給付金は受給出来ない?
雇用保険受給者が対象のコースなので、基本的に給付金はありません。
但し、すでに給付が終了している方、給付延長の対象にならない方、被受給者が受講する際には、一定の要件を満たすと、月10万円が支給される場合があります。
要件は、求職者支援訓練の給付金とほぼ同じになりますので、前回の記事をご参照ください。
なお、受講を希望するコースによっては要件を満たしても受給出来ない場合がありますので、詳細については、ハローワークでご相談ください。
まとめ
いかがでしたか。
簡単ですが公共職業訓練の申し込みから受講までの流れについてご説明させて頂きました。
公共職業訓練は、お住まいの地域によって開催されている学科にかなり差があります。
他の都道府県のコースに参加することも出来ますので、ぜひ申し込み前に様々な可能性を探って見てください。
なお、人気のコースは受講しても残念ながら不合格になる場合もあります。
そのような場合は落ち込むことなく、別のコース申し込んでください。
必ず適したコースが見つかると思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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