GeminiがGoogleスプレッドシートで無料で使える?!
「Excel作業に課題を感じている方」「AIをもっと身近に活用したい方」、そして「通常のGoogle WorkspaceでのGemini利用は有料だと諦めていた方」へ朗報です。
本記事では、Google Workspace Labを利用して、GoogleスプレッドシートでGeminiを無料で使う最新の方法を詳しく解説します。無料でAIを試したい方、Googleスプレッドシートをもっと便利に使いたい方は必見です。本記事を読むことで、無料でGeminiをスプレッドシートで活用し、業務効率を大幅に向上させる具体的な方法を習得できます。Googleスプレッドシートがもっと賢くなる!?Gemini連携による具体的なメリットを、ぜひご自身の目でご確認ください。
スプレッドシートとGemini連携の概要
Geminiとは
すでにご存じの方も多いと思いますが、Gemini(ジェミニ)とは、Googleが開発した大規模AIモデル(生成AI)です。文章生成、画像認識、コード作成など多用途に対応する多機能なAIで、ChatGPTのような対話型AIとしても使われています。
連携させるメリット
では、スプレッドシートとGeminiを連携させると何が出来るようになるのでしょうか?
以下にご紹介するのが、主に利用出来る機能になります。
- データの要約:表の内容を読み取り、自動で要約。
- グラフ作成の提案:適切なグラフの種類や分析方法を提示。
- 自然言語で関数入力:たとえば「この列の平均を出して」と入力すると、
=AVERAGE(B2:B100)
のように自動変換してくれます。 - データ分析・解釈:トレンドや異常値を指摘し、理由を解説。
- 自動入力補助:繰り返しデータやパターンを予測して入力を補完。
Google Workspace Labの概要
Google Workspace Labとは、「試験的な機能を無料で試せるプログラム」になります。
ここでは、スプレッドシートでの使い方についてご紹介させて頂きますが、実際には以下のソフトで利用することが出来ます。
- Gmail Google ドキュメント
- Google ドライブ
- Google スプレッドシート
- Google スライド
- Google Meet
- Google カレンダー
- Google Chat
- Google Vids
- Google フォーム
- Google Keep
Google Workspace Labに登録
それでは早速、Workspace Labに登録する方法を見ていきましょう。一般的には、ドキュメントやスプレッドシートを頻繁に利用しているアカウントに「招待」という形で連絡が来て登録するのですが、直接登録画面から申し込むことが出来ます。

上記リンク先にある「Google Workspace Labへの参加」画面にアクセスします。

画面を下にスクロールすると、「Workspace Labs のプライバシーに関するお知らせ」と「利用規約」が表示されます。通常版にはない内容が含まれている場合がありますので、必ず確認して、同意の上、画面を下にスクロールしてください。念のため、以下に要約した内容を載せておきます。
Workspace Labs 概要と注意点(要約)
- Workspace Labsとは?
GmailやGoogleドキュメントなどで生成AIの新機能を試せる「試験運用版」のサービス。 - 収集される情報
入力内容・生成された内容・フィードバック・使用状況などの「Labsデータ」をGoogleが収集・利用。
→ プロダクトやAI技術の改善に使用されます。 - データの扱い
- Googleアカウントと紐づけずに最大18か月保存。
- 一部は人間のレビュアーが確認(最大4年間保存されることも)。
- 機密情報や個人情報は入力しないでください。
- 注意点
- 情報が不正確なことがあります。医療・法律・財務などの専門的な判断に使わないこと。
- 利用にはGoogle利用規約が適用されます。
- GoogleはLabsの変更・終了や利用停止の判断を行う権利があります。

「消費者の承認」が表示されますので、すべてにチェックを入れて「送信」をクリックします。注意点としては18歳以上でないと利用できないので、18歳未満の方は利用しないでください。

「完了しました。Workspace Labsをご利用いただけるようになりました。」と表示されれば登録は完了です。
スプレッドシートでGeminiを無料で使う手順
Geminiを起動

早速、スプレッドシートでGeminiを使っていきましょう。新規スプレッドシートを作成します。
画面右上にあるアイコンをクリックします。

サイドパネルが表示されました。赤い枠線の部分ではGeminiで出来ることを確認したり、サンプルの表を作成したりすることが出来ます。
ここではプロンプトから指示をして表を作成していきましょう。
表の作成

プロンプトの入力画面に以下のように入力してEnterキーを押してみます。
「イベントの在庫管理の表を作成したいです。在庫としてあるものは、バーベキューセット4、テーブル10、椅子40、ボール5、バット2、その他文房具は一般的に使用されるものが一通りそろっています。文房具の数は自分で入力します。」

表が作成されました。
挿入ボタンを押せば表がシートに挿入されます。
作成される表は、同じ言葉を入力してもその度に若干違ったりします。ベースとなる表が意図したものと違う場合は再度出力させることも出来ます。(ただし、以下の手順で変更していけば、意図した表に近づけることが可能です)
Geminiで表を整える

先ほどよりも少し詳しく指示を出してみます。ここではサイトバーで表を見ながら編集していきます。
「備品倉庫の管理表を作成したいと思います。備品にはバーベキュー用品やテーブル、机、板などがあります。また文房具も一般的なものがすべて揃っています。その他にも、ハロウィンに関連する備品やクリスマスで使用する備品があります。これらの備品の出し入れを管理したいと思います。いつ出していつ戻されたかを確認したいです。備品文房具、クリスマス、ハロウィンの備品は細かく分類してください。」

数量が表示されていなかったので、数量を追加します。

貸出状況がブール値になっていたので、チェックボックスに変更します。

ハロウィンとクリスマスの備品が少なかったので追加します。

誰が利用したのかを確認したいでの、利用者の列を作成します。

持ち出した数の確認もしたいので、持ち出し数の列を作成します。
このように作成された表に対して必要なことを追加しながら、体裁を整えることが出来ます。

左下にある「挿入」をクリックして、シートに表を挿入します。
上手く挿入されない場合はコピーをして貼り付けてください。

必要に応じて、備品名を変更・追加したり、種類をプルダウンリストにしたり、修正を加えながら表を完成させてください。
スプレッドシート × Gemini 活用事例集
データの分析

表を最も簡単に分析するなら、「このデータを分析」ボタンを使用します。
こちらをクリックするとGeminiが勝手に分析してくれます。

種類ごとに持ち出し日数や平均在庫数などを教えてくれます。
また示唆として、今後どのようなことに気を付けるべきかも示してくれます。
簡単な分析であればこれで十分と言える内容です。

もちろん個別に分析したいこともきちんと分析してくれます。
ここでは「種類ごとの平均貸出期間を教えてください」と質問しています。
また、返却日が入力されていない備品があることもきちんと認識しています。
数式の作成

数式を作成することも出来ます。平均貸出期間を計算する数式を訪ねると「=IF(AND(ISDATE(C2), ISDATE(D2)), D2-C2, “”)」と返ってきます。
この表自体が簡単なものなので、複雑な計算式ではありませんが、複雑な計算式も教えてくれます。
また画面左下の挿入ボタンをクリックすると、計算結果を挿入してくれます。

K列に貸出期間が表示されました。
このように分析したい内容に合わせて計算式を求めたり、表に結果を追加してください。
分析の内容自体をGeminiに尋ねる

そもそもデータ分析が得意ではなく、何を分析したら分からない方もいらっしゃると思います。そんな時はそれ自体をGeminiに尋ねてしまうことが出来ます。
「この表から分析出来ることは何ですか?」と質問すると、備品ごとの在庫状況や集計、貸出に関する分析など、この表から分析できることが表示されます。
この回答を見て、ご自身が必要だと思うことを分析するという方法も覚えておくと良いと思います。
提案書の作成

Geminiを使うと表の分析だけでなく、表を元に提案書を作成することも出来ます。
まず、「この表を元に、あらたな備品の購入を検討しています。何を購入したら良いか教えてください」と質問します。すると新たに何を購入するべきか、現在の状況を踏まえ、表付きで回答してくれます。

「この結果を元に提案書を作成してください」と質問すると、分析結果に基づいた提案書を作成してくれます。多少の修正は必要ですが、コピペすればすぐに活用することが出来ます。
【無料利用の注意点】Google Workspace Lab版Geminiの制約
有料化への注意
Workspace Labは試験的な機能であるため、将来的に有料化される可能性があります。
プロンプトの重要性
プロンプトは、AIモデルに指示を与えるための重要な要素です。効果的なプロンプトを作成することで、より正確で有用な結果を得ることができます。以下は、プロンプトを作成する際に考慮すべき点です。
- 具体的に記述する: プロンプトはできるだけ具体的に記述しましょう。あいまいな言葉や表現は、AIモデルが誤解する可能性があります。
- 明確な指示を与える: プロンプトは、AIモデルに対して何をさせたいかを明確に指示する必要があります。指示が不明確な場合、AIモデルは適切な結果を生成できない可能性があります。
- 関連する情報を提供する: プロンプトに関連する情報を提供することで、AIモデルはより適切な回答を生成することができます。例えば、文章を生成する際に、テーマやキーワード、必要な情報などを提供すると、AIモデルはより関連性の高い文章を生成することができます。
利用規約やプライバシーポリシーについて
Google Workspace Labsを使用するには利用規約の確認とプライバシーポリシーに同意する必要があります。以下のサイトで必ず確認してください。
その他の注意点
- サポート体制が通常版と異なる場合があります。
- 機能に制限がある場合があります。
- 誤った情報が出力される可能性があります。
- セキュリティに関して注意する必要があります。
まとめ
本記事では、Google Workspace Labを利用することで、GoogleスプレッドシートでGeminiを無料で活用する方法を詳しく解説しました。
Gemini連携でスプレッドシートが劇的に進化
これまで有料だと思われていたGeminiの機能を、Google Workspace Labという「試験的な機能を無料で試せるプログラム」を通じて体験できるのは大きなメリットです。スプレッドシートとGeminiを連携させることで、以下のようなAIによる強力なサポートを無料で受けられます。
- データの要約やグラフ作成の提案
- 自然言語での関数入力
- データ分析・解釈
- 自動入力補助
これにより、日々のExcel作業に課題を感じている方や、AIをもっと身近に活用したいと考えている方にとって、業務効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。
無料利用の注意点と今後の展望
ただし、Google Workspace Labは試験的な機能であるため、将来的に有料化される可能性や、サポート体制、機能制限、誤った情報が出力される可能性などの注意点があることもお伝えしました。特に、機密情報や個人情報の入力は避けるようにしてください。
プロンプトの質が結果に大きく影響するため、具体的で明確な指示を出すことが、Geminiを使いこなす上で重要になります。
Google Workspace Labを通じて、無料でGeminiをスプレッドシートで活用し、AIがもたらす可能性をぜひご自身の業務で実感してみてください。この機会に、AIを活用した新しい働き方への第一歩を踏み出してみませんか?
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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