事業資金はなぜ足りなくなるのか 利益が出てもお金が足りない その原因は

financing生き方

今回は、事業を行う上で最も大事なこと、資金についてご紹介させて頂きます。

事業を長く続ける上で、最も重要なことは何だと思いますか?

売り上げを上げること、利益を上げること、事業を拡大すること、新しい商品を生み出すことなど、どれも間違ってはいませんが、正しくはありません。

こういう回答は、コンサルタントとか、どこかの有名な本の中に書かれていたりするので、厄介なのですが、個人事業主や零細法人にとって最も大切なことではありません。

では何が一番重要かと言うと、月末に資金(現金)があるかどうかです。
(月初でも良いのですが、、)

何をばかなと思うかもしれませんが、現実の現場で大切なことはこれ以外にありません。

どんなに売り上げが上がっても、どんなに利益が上がっても、月末に現金がなければ、その事業は終わりです。

どんなに売り上げが落ちても、どんなに赤字であっても、月末に現金があれば、事業を続けていくことが出来ます。

しかし不思議と手元にあるお金は、気が付いた時にはかなり減ってしまっているのです。

最悪の場合はなくなってしまっているのです。

なぜそのようなことが起こるのか?

今回は具体例を挙げながらその実態をご説明させて頂きます。

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売れているのに資金不足

事業を始めると分かってもらえるのですが、売り上げが上がっていても資金がなくなることがあります。

その原因は多岐に渡ることが多いのですが、よくある原因は以下になります。

  • 仕入れと支払い、売り上げと入金のタイムラグ
  • 従業員(自分)への給与の支払い
  • 各種税金や保険等の支払
  • 決算期などの税理士費用
  • 賃貸物件の更新料
  • 新店舗の出店時
  • 急激な売り上げの落ち込み
  • 家庭などの個人的な消費

思いついたものを書いて見ましたが、これ以外にも様々な理由があると思います。

また、それぞれが別々に起こるわけではなく、同時に起こったりするので原因が複雑になって行きます。

仕入れと支払い、売り上げと入金のタイムラグ

ほとんどの事業は何かを仕入れて、あるいは加工して販売していると思います。

(士業や保険業、不動産業(仲介のみの場合)、コンサルティング業などは仕入れがないと思いますので、当てはまらないと思いますが、、)

通常の販売方法であれば、最初に商品を仕入れます。

そして利益を乗せて販売します。

その利益の中から、家賃を払ったり、人件費を払ったり、水道光熱費を払ったりします。

ここまでの仕組みは、誰でも分かると思います。

では何故資金が足りなくなるのか?

それは、商品の支払い、売り上げの入金にタイムラグがあるからです。

事業を始める際の仕入れは、通常、メーカーや問屋から仕入れると思いますので、その場で決済することはあまりないかもしれません。

こういった企業等から仕入れる場合、支払いは末締めの翌月払いなど、支払いにタイムラグがあります。

また、入金に関してもクレジットカードで支払いを受けるとこちらも末締めの翌月払いや、2回払い、ボーナス払いなどはもっと長いサイクルでの支払いになったりします。

事業を始める前に、このことをきちんと理解していないと、最初の内は問題が見えて来ませんが、しばらくすると問題が浮上してきます。

現金入金のみの場合

何だかピンと来ないと思うので例を挙げて見て行きます。

最初に仕入れ代金が100万円、運転資金が100万円、月の売り上げが100万円と仮定します。

原価率は50%、経費が20万円、人件費(自分の給料)20万円、利益が10万円と仮定します。

在庫は常に100万円分あると仮定します。

今回は売上金がすべて現金で入金された場合を見てみます。

以下、これらの状況を図にしてみます。

一番左が開店前の状況です。

手元には200万円の現金があります。
(実際には100万円分の商品在庫もあります)

翌月末は最初の仕入れ代金100万円を支払いますが、売り上げが100万円ありますので、合計200万円の現金が残ります。

経費と翌月の仕入れ代金で90万円かかりますので、実際の手元に残るお金は利益の10万円を足した、110万円となります。

翌々月末も同じ状況で推移すれば、持ち越した110万円に利益の10万円を足して120万円の現金が残ります。

これを繰り返していくと1年で120万円の利益が出て手元には220万円の現金が残る計算となります。

凄く単純化したお金の流れですが、まずこれが基本になりますので、理解してください。

現金の増減の落とし穴

今度は単純に現金の増減を見ていきます。

最初に手元にあるお金は、200万円、翌月末の現金は40万円は経費として使用していますので、160万円になります。

ここまでは問題ないと思います。

月100万円の売り上げが毎日均等に入金されると仮定した場合、翌々月の15日には50万円の売り上げが入金されるので、210万円の現金が手元にあります。

少し伝わりにくいかもしれませんが、この時点でとてもお金が増えている感覚に襲われます。

もともと使える現金のイメージは運転資金の100万円だったはずが、何故か210万円もの現金が手元にあるイメージになります。

これもそんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、そう思ってしまうのです。

今回の例は、開業後数か月のイメージですから、複雑な要素が絡んでいないのでスッキリ見えますが、しばらく営業した後にこのような状態になっていると儲かっているように感じてしまう場合があります。

そして不思議とこういった時に、急な出費や、買い物をしてしまいがいちになるのです。

本来は使ったとしても15万円ほどの利益が出ているだけですから、それ以上使えばお金が目減りすることになります。

お金が増えていると感じた時は、本当に増えているのかどうか確認することが大切です。

売掛金、クレジットカードの入金がある場合の落とし穴

今までの話は分かりやすく伝えるために、毎月の売り上げがすべて現金で入金されていると仮定しましたが、今回はより現実的な、売掛金、クレジットカードでの入金がある場合を見てみましょう。

まず売り上げ100万円に対して、現金売上が50万円、クレジットカードの売り上げが50万円と仮定します。

極端にするために、クレジットカードの売り上げはすべてボーナス払いと仮定します。
(つまり入金は半年後になります)

図を見て頂ければわかりますが、先ほどと全く同じ売り上げなのに、突然資金繰りが怪しくなりました。

最初の月は、50万円の入金がありますが、残りの50万円の入金は半年後なので、売掛金として残ります。

この時点で手元にある現金は150万円となっています。

翌月も同じように50万円の入金がありますが、すでに経費として40万、仕入れ代金として50万円を支払っていますので、手元に残るお金は110万円になります。

売掛金は増えて100万円となっています。

翌々月になると、50万円の入金があっても手元に残るお金は70万円になっています。

この状態を続けていると、その次の月は、現金が30万円となり、5か月目には、マイナス10万円になってしまいます。

売掛金は増えていますが、半年後の入金だと振り込まれる前にお金が足りなくなってしまいます。

本当に10万円儲かっているのか 会計ソフトの落とし穴

売り上げ

ここで再び最初の図に戻って毎月10万円の利益が出ている状況を見てみましょう。

日々の売り上げを記帳して、会計ソフトなどで月次決算をみるとこのような状況になっていると仮定します。
(実際このように表示されますが、、)

この状況で本当に年間120万円の現金を手に出来るのでしょうか?

利益が出ているから120万円を手にするの当たり前ではないかと思えます。

しかし、実はこの120万円を手に出来るのは、借り入れのない方のみです。

何故そうなるのか?

ご存知だとは思いますが、借入金の元金の返済は、経費の中に含まれていません。

つまり元金の返済は、この利益が出ている10万円の中から返済してなくてはならないのです。

もし月の元金の返済が10万円あれば、年間の返済は120万円なので、プラスマイナスゼロになってしまいます。
(借入金550万、年利2% 5年返済位の方が月々10万円の返済になります)

つまり1年間頑張って営業して見たけれど、お金は1円も増えなかったということです。

減らないだけ立派なのですが、これは何も買い物をしなかった場合のみに限ります。

月次決算書を見て、毎月10万円の利益が出ていると思って半分の5万円を経費として追加で使用してみたと仮定すると、年間の利益は半分の60万円になってしまいます。

これだと元金の返済に足りなくなるので、足りない分は運転資金から支払わなくてはなりません。

すると100万円あったはずの運転資金が一気に40万円になってしまいます。

こうならないためにも、月々の元金の返済金額をきちんと把握しておくようにしておきましょう。

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まとめ

いかがでしたか。

今回は簡単な例のみですが、その他にも新規出店時や、売り上げが急激に増えた時、急激に減った時、決算時などが資金不足に陥りやすい時です。

すべてのシチュエーションを説明しようとすると膨大な量になってしまうので、かなり簡略化してご説明させて頂きました。
(好評であればまた記事を書きます)

また単独での事例でのご説明だったのですが、実際の経営ではすべてが複雑に絡みあって同時に起こります。

しかし、基本的なイメージ、お金の流れはこのような感じですので、ぜひご自身の経営状態と見比べて参考にしてみてください。

資金繰り改善のためのヒントに少しでもなっていれば幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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